Vol.364 2022.9.27

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Column

この季節だからこそ その1

イタリアは夏であってこそイタリアである、というのがこの国の人たち大半の声であろう。肌を刺す陽光がいつもそこにあって、それを受ける大海原が国を囲み込み、またそこから身を隠すことのできる石壁や涼しげな丘陵がいたるところにある。各々の思うような体温調節のできる最高の環境がいつだって身近にあるのである。

無論わたしにしてもそのことについて異論はなく、このところ多くの時間を日本に費やしながらも、7月、8月になると引き寄せられるようにイタリアに戻ってしまう。イタリアの夏の太陽はそこまで魅力のあるものなのである。

それではイタリアの秋はどのようなものだろう、と考える。一般的に言われるところのイタリアの秋は、夏と冬の狭間にポツンと置かれたあまり気持ちの鼓舞を伴わない短い季節のことである。

日本にいれば、夏の蒸し暑さから解放されて、やっと落ち着いた心地に戻ってきて、著しく色の変わる季節のうつろいの中で、様々な行事を伴いながら、というイメージがついて離れない。運動会があれば学園祭や文化祭、大小お祭りもこの季節に多くあり、かなり忙しくなることは間違いない。また、食べものもより美味しいものが収穫できる季節だろう。

イタリアの夏は、8月中旬を境に急に納まりを見せはじめる。気温の降下が何よりも顕著であろう。海から出てきなさい、ビーチから離れなさいと、けじめの付けにくいイタリア人のラテン気質を知って促しているのかもしれない。

だからといって急に寒くなるわけでもない。イタリア半島のもちろん地方にもよると思うが、11月上旬までは穏やかな日常が約束されている。日本と比較すると、地質や水の違いがあることで自然の色の変化にそれほど際立ったものを感じずとも、風の匂いには秋を感じることができる。

たとえばミラノの10月は、晴れた日よりも曇り空の方が多いだろう。これは30余年をイタリアで暮らしてきたものの覆ることのないデータである。夏好きのイタリア人だから、このあたりになるとやや消沈してしまうということも自ずと頷ける。モノトーンに支配される季節はこのまま翌年の春まで続くことになる。もちろん時に青空も戻ってはくるのであるが。

夏を失ったイタリア人が翌年の太陽の季節が戻るまで、ただ肩を落とし膝を抱えて過ごすわけではないのだが、かといって高いテンションを保つということも容易ではない。それでは、そのような秋の楽しみ方とはいかにと自分のことも踏まえながら少し考えてみた。

堂満尚樹(音楽ライター)
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郵船トラベルクルーズセンターからのお知らせ

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(日本語上演)12月2日(金)出発 3日間

2泊3日のオペラ三昧クルーズ!

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★現在、スーペリアツイン、ビスタスイートに空きがございます。シングルご利用の場合には、 デラックスシングルに空きがございます。

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藤原歌劇団総監督 折江 忠道【バリトン】
指揮:諸遊 耕史 / 演出:馬場 紀碧
アイゼンシュタイン:藤田 卓也
ロザリンデ:佐藤 亜希子
フランク:坂本 伸司
オルロフスキー:城守 香
アルフレード:所谷 直生
ファルケ:押川 浩士
アデーレ:横前 奈緒


ピアノ:藤原 藍子
ヴァイオリン:近藤 薫

※オペラ鑑賞は全席指定です。スイート・デラックスルームのお客様は、ご乗船日までに優先的に座席をお選びいただきます。ステートルームのお客様は、乗船日の抽選により座席指定の順番を決定させていただきます。

※本公演は日本語による上演です

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